北の不正輸出 中韓迂回ルート構築 幹部が発注を主導(産経新聞)

 核開発や拉致問題に対する制裁として日本政府が北朝鮮に禁輸措置を取って以降、北朝鮮向けに物品が不正輸出され、摘発を受けた事件は、すべて同一人物が発注を主導し、物資獲得のための秘密ルートを構築していたことが2日、警察当局の調べで分かった。不正輸出にはいずれも中国・大連の企業や、韓国のペーパーカンパニーを介在させており、日中韓朝にまたがる大掛かりな裏のネットワークが浮かび上がった。

 警察当局は、摘発した事件の関係者の供述や押収資料などを分析。物品の発注を主導したのは、自称「厳光哲(オムグァンチョル)」だったことを突き止めた。

 「厳」は北朝鮮の秘密警察にあたる「国家安全保衛部」の幹部で、経済産業省がミサイル開発などに関与している疑いがあるとしてリストに掲載している北朝鮮の貿易会社「新興貿易」の社長も兼ねているとされる。複数の国のパスポートを所持していることも警察当局は把握している。

 兵庫県警が昨年12月に摘発した事件では、貿易会社「スルース」に化粧品や食料品などを発注。大連向けと偽り北朝鮮に輸出させていた。京都府舞鶴市の中古自動車販売会社「株式会社盛田忠雄」が、軍事転用可能なタンクローリーを韓国向けと偽って北朝鮮に輸出しようとして昨年5月に摘発された事件でも、発注した朝鮮人民軍系の商社「白虎7」に発注を指示した疑いが強まっている。

 「盛田」社が独高級車メルセデス・ベンツやピアノを不正輸出した別の事件でも、金正日総書記の秘密資金を管理する特務機関「朝鮮労働党財政経理部(39号室)」配下の「ルンラド貿易」に発注を指示。故金日成主席の偉業をたたえる任務を担う「主席宮経理部」に所属する商社「ルンラ888」とスルースとの貿易にも主導的に関与していたことも判明した。

 警察当局の調べでは、「厳」は不正輸出の際、迂回(うかい)先として大連の貿易会社「大連グローバル」を利用。韓国向けと偽る際には、大連グローバルが作った韓国内のペーパーカンパニーが使われていた。大連グローバルは、朝鮮族の中国人が経営し、大連と北朝鮮との貿易関係では独占的な地位を確保しているという。

 日本政府は北朝鮮に対し平成18年10月に贅沢(ぜいたく)品の輸出を禁止。昨年6月からは全面禁輸措置を取っている。

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